ピクトさんをさがせ！75（聖夜編）

看守：おい、○○。準備はいいか？

あなた：はい。

看守：よし、じゃあ行こう。

あなた：お世話になりました。

守衛：元気でな。お前さんなら、すぐに社会復帰できるさ。

あなた：ありがとうございます。では...。

数年前、俺は過ちを犯した。
そうするより他にはないと思っていた。
当時は...。
だが、間違っていた。何よりも後悔しているのは
最愛の妻と娘を裏切ってしまったことだ。
刑期を終え、今日、出所の日を迎えた。
だが、もう家族のもとには戻れない。
これからどうやって生きていこうか...。

子供：ママー、クリスマスケーキ楽しみだね～。
　　　早く食べたいなあ。

母親：はいはい、晩ご飯の後にみんなで食べましょうね。

子供：うん！パパ、何時に帰ってくるかな？
　　　早く帰ってきたらいいな～。

そうか、世間は今日クリスマスか...。
あいつらも今頃クリスマスの準備してるのかな。
忘れよう...。
きっと新しい幸せをつかんでいる。そう願おう。
あいつらにこれ以上つらい思いをさせることはで
きないから...。

あなた：タクシー！
あなた：○○町まで。

運転手：...。はい...。

あなた：ん、運転手さん。どこを走ってるんだい？
　　　　○○町はこっちじゃないよ。
あなた：ねえ、運転手さんってば！

（無視かよ...。耳が遠いのか？
運転席は遮断ガラスで完全にガードされてるし。）
（参ったな、こりゃ。どうしたものか...。）